研究会行事

2019年7月 8日 (月)

6月度 定例会報告

鄒大同先生の「陰陽調整と動物生薬」を聴講しました。

 

中医学にとって、陰陽は、大切であり、日の当たる面(陽)と当たらない面(陰)が、基本的なイメージで、物質概念としては、陽は活動性、温煦性(生命活動の動力、運動、分化、拡大)、陰は滋養性、制御性(陽に対して、栄養支持、コントロール)のあるものと述べられていました。その特徴は、陰は水・寒・静・暗、陽は火・熱・動・明で、陰陽の意味として、陰陽は対になっていて相互関連しかも属性相反の有形の実体と無形の気があるとのことでした。

 

陰陽のバランスが大切で、陰虚(陰の不足)や陽虚(陽の不足)の臓腑病位による分類と所見と対応する方剤が紹介されていました。

 

陰陽調整する生薬ですが、生薬には、植物生薬、鉱物生薬、動物生薬があります。ここでは、動物生薬の中で、脊椎動物、有血動物で滋補強壮、添精益血効用がある血肉有情之品について述べられていました。

 

陰性の動物である、亀、すっぽんの亀板(クサガメの甲羅:滋陰潜陽、益腎健骨、養血安神、固衛止瀉)、鼈甲(シナスッポンの甲羅:滋陰潜陽、退熱除蒸、軟堅散結)また、陽性の動物である鹿の鹿茸(マンシュウジカなどの幼角:温腎壮陽、補益精血、補腎、強健筋骨)、鹿角膠(シカのにかわ:補肝腎、益精血、止血)、鹿腎(シカの陰茎と睾丸:温腎壮陽、益精)及び、蛤蚧(オオヤモリの内臓を除き乾燥したもの:補肺・補腎納気、補腎益精)、海馬(タツノオトシゴ:補腎壮陽、調気和血)、阿膠(ロバの皮、骨などのにかわ:補血、滋陰、潤肺、止血)、哈土蟆油(中国林蛙:補腎益精、養陰潤肺)とその生薬を使っている製剤を紹介していました。

 

陰陽調整がうまくいっていない場合、これらを使って、うまく調整をし、病気の治癒、健康増進に役立てていければと、思っています。

 

 

 わやくや千坂漢方薬局 千坂武司

 

 

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2019年6月21日 (金)

6月度 定例会報告

今月は大阪中医薬研究会 福田漢方薬局の福田優基先生が、私たちの活動をお客様に知って頂く大きなきっかけとなっているインターネットの活用について講義してくださいました。

スマートフォンの保有率は年々増えており、私自身も何か調べたい事があるとすぐに頼ってしまいます。
いつでもどこでも利用でき、なくてはならない存在となっています。

インターネットは、あるのが当たり前の時代で、消費者も、検索したらすぐに答えを求めています。
そこで私達のお店のホームページもお客様のニーズに応えられるよう、ホームページの制作にあたり重要なポイントを、福田先生にユーモア溢れるトークで教えていただきました。

たとえば、ページ構成を一目で見て分かるようにサイトマップを作る。
地域情報を書く。NAP(名前・住所・電話番号)を統一する。グーグルビジネスを登録する。モバイル速度を上げる。SEO(検索した時に上位に表示されるようにする)。
口コミを増やす。…等です。

それからツイッターやブログはコツコツと続ける事!
ブログを書く時はタイトルで区切って読みやすくすると良いそうです。

今まで何気なくインターネットサイトを見ておりましたが、講義を受けてからは色々と気付く事が多くなりました。

これからもお客様にとって必要な情報を分かりやすく提供してまいりますので、京都・滋賀・奈良 各会員店のホームページをぜひご覧くださいね。

 奈良 一陽館薬局 池田一美


 

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2019年5月22日 (水)

5月16日 定例会報告

 5月定例会は、中医学講師のトン先生を迎え、「人生は腎精!五臓弁証の「腎」と健康づくり」と題して講義頂きました。
 まずは、現代医学での腎臓と、中医学での腎の認識について、機能の面からそれぞれ以下のようにまとめられました。

 

 ◎現代医学「腎臓」の働き
① ナトリウム、カリウムなど電解質の調節、②水分の調節、③老廃物の排泄、④血液の弱アルカリ性を保つ、⑤造血、⑥骨の代謝、⑦血圧の調節

 

◎中医学での「腎」の働き
① 腎精という生命にとって最も大切な物質を蓄える、②全身の水分代謝調節、③呼吸の一部をつかさどる、④二陰(尿道と外生殖器、肛門)の開閉を管理する

 

これらの中から、特に現代医学的に、腎臓と高血圧との間に密接な関係が認められていること、一般には腎臓病とは思われていない本態性高血圧でさえもその原因は腎臓にあると考えられるようになっていることをご紹介頂きました。
 また、中医学においても、腎の機能低下を背景に、血液が流れにくくなり様々な症状が出る「腎虚血瘀」の概念が注目されており、4月に開催された国際会議でも中国の著名な教授がその重要性を力説されたことを取り上げられました。なお、その治療には、補腎活血で対応し、冬虫夏草や亀板、田七人参や丹参などの生薬を含む漢方処方が大いに活用されているとのことでした。
  
 講義の最後には「健康向上の提案」として、一日の中で時間帯により変化する身体状態への中医学的考察をもとに、個々の体質にあわせた補腎薬、活血薬を朝昼夜と調節しながら服用していく方法を教えて頂きました。
 
 京滋奈中医薬研究会は「中医学で健康長寿にもしっかり貢献していきたい」と考えています。
 ぜひお気軽に京都・滋賀・奈良の会員店までご相談くださいね。

 

 

 

 

                                         京都 保生堂薬局 田中秀明  

 

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2019年4月15日 (月)

4月定例会報告(世界中医薬学会連合会・日本中医薬研究会の合同大会に参加して)

 桜が満開な4月初旬、東京で行われた「世界中医薬学会連合会アジア太平洋地域中医薬サミット」及び「日本中医薬研究会全国大会」合同大会へ参加して来ました。国を超えて約700名の参加があり、講演内容は同時通訳で行われました。

 基調講演は天津市中医薬研究員教授で国医大師の張大寧先生に「新時代における中医薬の役割」というタイトルで、中国で古代から長い年月をかけて中医学が発展してきた理由や、中医学の有効性などを、「補腎活血(ホルモン力を高め、血流をイキイキとさせる方法)」の応用を中心にお話しいただきました。

また主題講演として、生殖医学領域、皮膚科領域、それぞれの分野における中医学の有効性や治療現場での取り組み、実際の治療例などを、中国の専門医よりお話いただきました。

 さらにシンポジウム「活血化瘀の意義と臨床応用」では、3名のシンポジストより、医師や研究者の立場から、長年にわたる中医学治療の経験や研究成果を踏まえて、その意義と臨床応用についてお話いただきました。

 色々あった中で特に印象に残ったのは、基調講演の張大寧先生のお話です。「私の講演内容に、中医学の現代と未来はあるが、過去は無い。中医学が数千年も前に発祥しているのに、なぜ過去という言葉が出てこないか。それは時代を経て、変わることのないものは過去ではなく、伝統と言うからだ。変わることのない伝統は、もはや常識と言うこともでき、長い歴史の中で絶えず有用性が認められた結果に他ならない。」と、おっしゃっていたのが心に響きました。
 
 私たち京滋奈中医薬研究会は、中医学の変わらぬ本質を大切にするはもちろんのこと、このような会へ積極的に参加し、最新情報を更新することにも努めております。

 

 京都府 漢方いちじょうじ 志村幸枝

 

 

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2019年3月31日 (日)

認知症と中医学  (3月定例会より)

今月は東海中医薬研究会の小林先生による、「認知症と中医学」のテーマでの講義でした。

 

認知症は老化に伴う症状で、中医学的には主に<腎虚>と捉えます。
また、もの忘れと認知症の違いは、忘れたことを自覚しているのが【もの忘れ】、忘れたことの自覚がないのが【認知症】です。

 

認知症には主に3種類のタイプがありますが、日本ではアルツハイマー型が約50%を占め、レビー小体型が20%、血管性が15%を占めます。
このアルツハイマー型の原因は高齢化だけでなく、炭水化物の摂取が多いことも考えられています。
また、転倒などによる頭部打撲も、認知症の症状を起こすことがあるので検査を受けて明らかにする必要があります。

 

さらに最近、腸内環境が認知症に影響しているとの発表がありました。
それによりますと、認知症の方の腸内には「バクテロイドス」という腸内細菌が少ないことがわかり、これを増やす食事として、水溶性食物繊維(昆布、岩のり、わかめ、豆類など)、を摂り、腸内細菌を元気にすることで予防効果があるようです。
また、高齢者はタンパク質の摂取量が少ない上に、代謝が弱いためアミノ酸不足になりがち、それも原因のひとつとなります

 

アルツハイマー型認知症を予防する行動としては

 

1、人生に前向きであること
2、コミュニケーションをよくとること
3、人の役にたちたがること
4、運動習慣があること
5、栄養の摂り方に関心があること
などが大切です。

 

なお、中医学的な考え方としては、認知症は<中風><健忘>などが深刻化した状態。
その源の脳は中医学で<髄海>といい、腎と深く関係していると考えます。
また意識は中医学で<神>であり、<心>に宿したものと考えます。

 

したがって人事不詳の状態は<心迷>の状態であり、<痰濁>や<お血>などの病理産物が生じているためと考えます。
そのため、中医学では<補腎><健脾>と<活血><去痰>を、その方の体質・状態によって考えるのを基本とします。

 

健伸堂薬局 京都四条店 古村学  

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2019年2月22日 (金)

2月定例会報告

インターネット全盛の現代ですが、お客様と直に面と向かって、たくさんお話をお伺いする中で、適切なご提案をさせて頂きたい。
どんなお仕事もそうですが、皆様の健康に関わっていく私どもの仕事は、特にお客様からのご信頼なくしては成り立たないものです。
 
「紙の力でお客様とのよりよい信頼関係を築いていく。」
 2月定例会は、地域商店コンサルタント・山田文美先生(株式会社ごえん)より、「紙の力」と題してお話をお伺いしました。
 
 店頭でのご相談とともに、さらにお伝えしたい情報を「お手紙させて頂く」機会がありますが、この「紙の力」こそがとても大切とのこと。
お受け取り頂いた情報がお客様に活用いただけるものでなければ意味がありません。そのためにはどのような心構えと準備が必要なのかを、みっちりご指導頂きました。
 
 中でも、私がすぐに取り組まねばと決意したことがあります。
物事を深堀りする日々の習慣作りです。
参加者全員で、ある事柄についてどんどん掘り下げるトレーニングをしましたが、これが中々に難しく。。。 と同時に、広くしかも深い知識と、それを伝える言葉を得てこそ、お客様に役立つ情報としてお届けできるのだと感じました。
 
 京滋奈中医薬研究会では日々の研鑽で得た学びを、お客様にしっかり活用いただける形でお届けしていこうと考えております。
 
 ぜひお手紙やニュースレターにもご注目くださいね!

                                         京都 保生堂薬局 田中秀明  

 

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2018年11月 6日 (火)

中医臨床懇話会(2018年10月22日開催)より

山岡聡文先生が講師&司会、丸山運平先生、小林洋一先生を講師に迎えて中医臨床懇話会が、京都のメルパルクで開催されました。
各会員からの「質問」に対して、講師の先生方やご参加の先生が答えて下さるというディスカッション形式なので、幅白い知識を得ることができました。
質問は、「皮膚病と補腎の重要性」「慢性蕁麻疹の本治と対処」「膝から下の高齢者の浮腫み」「免疫抑制剤の使用での副作用予防」「健康に痩せられる漢方」などが参加者の先生から寄せられ、豊富な知識と経験のお持ちの先生方が、それぞれに対して、店頭でのご経験や考えなどを惜しみなく述べてくださいました。
また、講師の先生方からは「浮腫み」「てんかん」などの症例や、「歯ぎしり」「不眠」「ダイエット」「手の接触性皮膚炎」「男性不妊(精子)」「不登校の子・塾通いの子など成長期の子どもの夜ご飯が遅いことで起こる問題」「夜ご飯の遅い現代人の健康」「つわり」「起立性低血圧症」などの問題に焦三仙が有効であった事例のお話などがありました。
それ以外に、「高齢者の腰から足の全面にかけてのしびれ」に対して、なぜ冠元顆粒+麦味参で良くなるかという話、「降圧剤は毛細血管を拡張しない」というお話、浮腫みとANP(心房性利尿ペプチド)の関係、亀板製剤など動物性の生薬が補腎やタンパク質構造の再生に早い効果があるというお話、薄毛や体臭に対する症例、慢性蕁麻疹の人、また、水虫の薬など強い抗生物質を飲んでいる人は「肝」を助ける木鶏丹が有効であるなど、1つ1つ詳しく書ききれないほど、盛り沢山のお話が出てきました。
懇話会で得たものを、お客さまのお悩みに生かせるように店頭でも取り入れていきたいです。

     滋賀 ケイアイ薬品 磯崎 香  

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2018年10月25日 (木)

9月度 合同研修会より

著「粗食のすすめ」で有名な幕内秀夫さんのお話を聞きました。


幕内さんは食のドラッグ化に警鐘を鳴らします。現代は工場で加工されて添加物まみれになった食品ばかりを食べるようになってきた。それら加工食品は砂糖、油に偏り、さらには添加物(薬)がたくさん使われて、人の健康を害している、と訴えます。 


特にジャンクフードをたくさん食べるようになった沖縄県ではすごい変化が起こりました。かつて世界一長寿だった沖縄県人でしたが、今では65歳未満の死亡率が全国でワースト1位になってしまったのです。生まれた時からジャンクフードで育っている今の子供たちの寿命はさらに短くなる可能性があるといいます。


なぜ、若い世代がジャンクフードやお菓子が手放せないかというと、砂糖と油の組み合わせに強い依存性があるからです。実際に砂糖だけ、油だけを舐め続ける人はいませんが、お菓子ばかりを永遠に食べている人はいます。砂糖と油を合わせると依存性がとても高まるのです。


それと興味深い話がもう一つ。幕内さんは「大人は快楽のために食べる」と言います。子供の頃のように毎日思いっきり遊べることのない大人は、その穴埋めのために、酒、たばこ、お菓子などの嗜好品に手を伸ばすようになるそうです。麦茶は俺の事分かってくれないけど、酒は分かってくれるんだとか。嗜好品に手が伸びすぎるときは心が満たされていない証拠かもしれません。子供の頃のように楽しいことに熱中できる時間を作ってもらえたらと思います。

 

     滋賀 サンポウ薬局 渡辺 元貴  

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2018年7月 5日 (木)

6月定例会報告

梅雨の晴れ間、気持ちいい気候の中多くの会員店が参加しました。

京滋奈漢方専門グループに2年前に加入された先生と中医師からお話しをお伺いすることができました。

 

どちらの先生も食を重要視されていたのですが、特に、胃腸の働きは大事という考えから、「食」に力を入れておられました。

 

そんなお二人の一押しは「焦三仙(しょうさんせん)」という漢方薬です。

山査子(さんざし)という果実が入っています。

山査子の干した実は、胃腸の消化吸収を助ける働きがあり、漢方薬として使われています。

 

その山査子は、中国ではお菓子やお酒などもあるほどポピュラーな果実なんです。

 

人は食することで生きています。

食べ物は胃腸を通じて、体の中に栄養を送っていきます。

 

その基本である胃腸の働きを「いい状態」に保つ。

これが健康の鉄板なのかもしれませんね。

 

漢方の知恵がお役にたつはずです。

 

     滋賀 マルワ漢方 木戸れいこ  

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2018年6月24日 (日)

6月度定例会より 「皮膚病(アトピー)における、中成薬健食応用」

6月17日(日)の京滋奈中医薬研究会の定例会後半は、劉桂平先生による 「皮膚病(アトピー)における、中成薬健食応用」についての講義でした
劉桂平先生は皮膚病の専門講座担当中医学講師です
独自の食養生の考え方と中成薬のアトピーの治療方法の講義については定評があります

アトピーのタイプ
1. 掻痒湿疹型
2. 紅斑・びらん・乾燥型
3. 白っぽい乾燥型
4. 黒っぽい乾燥型
5. 白っぽい寒がり型
6. 乾燥ほてり型
の6つの方に分けて、中医学的対応について具体例を挙げ、わかりやすく説明していただきました。

アトピーになる原因として,飲食の不摂生、ストレス、睡眠不足(過労)などがかかわり、漢方薬を服用し、一旦アトピーが改善しても、前述の不摂生などがあると、ある日突然悪くなったり、まったく元に戻ってしまったりすることがある経験から養生の大切さを認識されるようになったこと、特に脾胃を強化させる必要性を実感しておられることを強調され、以下の養生法を強く勧められました

1. 煮物や和食を中心に
2. 旬の緑黄色野菜を火を通してたっぷり食べる
3. バランスの良い食事をとることが大切
4. 適度に運動する
5. 適度に汗を出す
6. 優しい日光を適度に浴びる(朝日、木漏れ日など)
7. 生活リズムを守る。(睡眠、食事のリズム)
8. 旬の果物、緑茶、紅茶を適量摂る

飲食の失調は疾病の主な原因であり、食養生をすることにより、漢方薬が効く生態環境を作るのだと話されました。

全ての養生法を実行するのは現代社会では非常に難しいのですが、常に意識して行動することと漢方薬を併用することで、少しでも早くアトピーのことを心配せずに過ごせる日が来ると思います

     滋賀 本陣薬局 竹内 聡  

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