研究会行事

2020年11月 9日 (月)

10月定例会報告(第2部)

第2部は菅沼栄先生より「鬱症の中医薬治療」と題して御講義下さいました。

 

今年は新しい生活様式と言われ、心の疲労も訴える方が多い中、大変参考になる内容でした。。

 

前半は、精神的な病を中医学より分類し、五行の関係や虚・実に分け病因を詳しく学び、後半では応用できる方剤(漢方薬)について弁証論治(体質や現れている症状などから診断し治療方針を決めていく方法)から具体的な症例など紹介下さいました。

 

最後に、漢方を選び服用することに加えて、心や体の基礎となる薬膳などを含めた食養生や生活養生などもお話し下さいました。
心が不調になるとき、出来るだけ心と体が休めていける養生を心がけることも大切です。

 

先生がご紹介して下さいました以下の養生法を一部ご紹介致します。

 

1、 朝起きる時間を一定にする。早起き朝日を浴び腹式呼吸を行う。
2、 良質の睡眠をするために夕方以降にコーヒーや濃いお茶を控え出来るだけ夜更かししない。
部屋の照明を暗くし、就寝前にお風呂で体の芯まで温めてから入眠する。
3、 一日三食(朝は温かく消化しやすいもの、昼は栄養価の高いもの、夕方は胃腸の負担にならないように少なく食べる)
4、 排尿と排便をよくし、体の老廃物をきれいに排泄する
5、 一日一回笑うこと(少欲・抑目・静目)欲張らない・嫌なことを見ない、聞かない
6、 趣味を持つ

 

 

時に心の不調は様々な箇所に現れます。お悩みの方はお近くの中医薬研究会の会員店にご相談してみてください。

 

                           滋賀 和音漢方堂 堤里香  

 

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2020年9月27日 (日)

9月度定例会より(第2部)

引き続き、9月もコロナ感染拡大防止のため、web会議システムで定例会が開催されました。

 

第二部は、韓小霞先生による“症例から学ぶ中成薬と健康食品の応用”の講義でした。

 

韓先生のご経験から八つの症例が提示されました。

 

今回の定例会は、いつもとちょっと違ったスタイルで、定例会初の試みとしてweb会議システムの投票機能を使って、参加の先生方から治則や処方を投票してもらい、回答を集め、画面上で回答の投票結果を共有しながら韓先生の講義を受けるというものでした。

 

投票機能は、講義の途中に画面上で投票の質問への回答を求められ、参加者には投票用ウィンドウが表示されます。

 

個人的に、この投票機能を使うのが初めてだったことや自宅保育をしながら講義を受けたこともあり、治則や処方を考えている途中でタイムアウトになることがあり~はじめは操作に戸惑いましたが、すぐに慣れました。

 

今回の講義は、投票機能を用いたこともあり、いつも以上に臨場感がありワーキングママでも気負いなく楽しく受けられる定例会でした。

 

そして、今年は京滋奈中医薬研究会主催で予定していた屋外漢方イベントが残念ながら中止となってしまいましたので、代わりに下記のイベントが開催されることになりました。

 

11月1日(日) テーマは
“秋冬に多いお悩み「肌荒れ•乾燥」「冷え」対策”

 

Web会議システムを使ったイベントです!

 

お申込み方法は、
京滋奈中医薬研究会会員店店舗にて来週はじめ頃から配布予定のパンフレット、または「京滋奈中医薬研究会」のHPからもご応募いただけます。

 

〆切は10月25日(日)

 

どなたでも参加出来ますので
お友達をお誘いの上、是非
ご参加ください。

 

 

                                         京都 漢方ごじょう 谷山 博美  

 

 

 

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2020年9月26日 (土)

9月度定例会より(第一部)

今月も引き続き、Webにての定例会となりました。
第一部は、健伸堂薬局の米倉しく子先生による「四診3 聞診 問診 切診」のご講義でした。

 

四診とは「望診・聞診・問診・切診」の四つを合わせていうもので、弁証論治(体質や状態を判断し、処方を決定する)のためには欠かせない漢方独自の診察方法です。

 

米倉しく子先生が実際に相談を受けられた具体的な症例をもとに、望診、聞診、切診の情報の他に「どのような問診をしていけばよいか」など、全員参加のディスカッションの場ともなり、多くの先生方のご意見も聞くことができ、貴重な時間となりました。

 

四診から得られた情報を総合して疾病の症状と体質の特徴を整理、どのような弁証、治則、方剤を決定したのかを学ばせていただきました。

 

まずは「いつ」「どこで」「どこを」「どのような具合」をしっかり聞き、主訴の確定をする。
随伴症状から得られるデータ、生活習慣から得られるデータを正確に捉え、主訴に対する方向性を確定し、
お客様との意思疎通を図ること。直接関係のないように思えることも、重要なヒントになるということ。
多くの情報を集める問診の大切さをあらためて教えていただきました。

 

そして参加された先生方の意見を、多く聞くことができたこともとても勉強になりました。

 

今後も、より多くのお客様の体質改善のお役に立てるよう、漢方の処方だけでなく日々の養生などもお伝えしてまいりたいと思っております。

 

是非ご相談ください。

 

 

                                         奈良 一陽館薬房 学園前店 木村敦子  

 

 

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2020年6月30日 (火)

京滋奈6月定例会報告(第一部)

6月もコロナ感染拡大予防のため、Web会議システムで定例会開催されました。
第一部は、米倉しく子先生による「四診~望診~」の講義。

四診とは、中医学独自の診察手法のことで、望診、聞診、問診、切診の4つの診法から成り立っています。この四診を必ず有機的に組み合わせて臨床運用することが大切です。
この四診から得られた情報を総合すれば、病気がどこにあるのか、その性質がどうか、どこから対応していくのかを正確に判断できます。
 さて、昨年一年をかけて講義頂いた問診に続き、今年は望診から講義開始です。

 望診は、字のごとく、視覚器官を駆使して観察を行い、病状を捉えることを指します。
その観察範囲は非常に広く、病人の精神・意識から、姿かたち、舌の状況、さらには分泌物、排せつ物の色質など多岐にわたります。
 レントゲンみたいに直接見てはいませんが、外から得た多くの情報から、身体の中を見ようとするわけです。
 長きにわたる中医学の臨床実践から得られた観察の要点は、非常に納得のいくものばかりです。

 また、Web上でのグループディスカッションという初めての試みだった症例検討でも、出来る限り多くの情報を得て、総合的に判断することの大切さを教えて頂きました。

 京滋奈中医薬研究会会員店でのご相談は、ちょっぴり長めにお時間を頂くことがあります。これは、出来るだけたくさん拝見して、出来るだけたくさんお伺いして、より正確な判断、よいご提案が出来るようにという想いの現れです。
 ぜひお近くの会員店に足を運んで頂き、その熱い想いに触れてみてください。

 

 

                                         京都 保生堂薬局 田中秀明  

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2020年6月 1日 (月)

5月度定例会より

劉桂平先生に『中医学食養生』についての講義をしていただきました。

現代人の食生活の問題点として、欧米化、過食や偏食、野菜不足、時間が不規則などがあげられています。
摂取したものが体内で上手に調和できないと、それが病邪となり、内臓の働きや全身のバランスが崩され様々な病気になります。

つまり、本来農耕民族である日本人が、今のような合わない食生活に高温多湿という環境が重なることで、病気の原因となる湿熱・痰湿・瘀血を生じやすくなってしまうのです。

現代栄養学では、成分を摂取することが重視され、ときに胃腸の負担が重くなるケースが見受けられます。
脾胃は気血津液を生化する源でもあるので、脾胃が強くなれば心身ともに健康になると言われているように、栄養を摂ることに加え、尿や便という排泄のことなど、全体的な調和を考えながら、脾胃腸を守ることができる食養生を実行していけば、健康につながるといえます。

心身ともに健康であるには、
和食(味噌汁や煮物)などを中心に、栄養豊富で消化しやすいものを腹八分目、食事の時間を守る。
胃腸の負担を軽くし、腸内環境を常にきれいにしておくことが重要なポイントです。

その他、適度に汗を流す、やさしい日光を適度に浴びる、生活リズムを整えるなど
食養生と健脾剤を活用して胃腸の働きが安定することにより、さらなる健康増進が期待されます。

生活リズムや体質、環境などその方に合った漢方と食養生をご提案させていただきます。
お気軽にご相談ください。

 奈良 一陽館薬局 学園前店 木村敦子

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2020年5月 8日 (金)

4月度定例会より

戦冬雲先生の講義を聴講しました。
新型コロナウイルス対策のためWebで行われました。

 

今回のテーマは、「活血化瘀理論の応用」でしたが、先日、新型コロナウイルスについて、中国で実際にその治療等にあたられていた中国工程院院士張伯礼先生(天津中医薬大学)との特別Web交流会が行われたことと、新型コロナウイルス肺炎の治療においても活血化瘀も重要になってくることから、まず張伯礼先生の講義の内容を紹介して下さいました。

 


中医学(中国漢方)では防疫において3000年以上の歴史があり、理論体系が形成されている。この新型肺炎は中医学の分析によると、湿毒疫であり、その病理性質として、湿、熱、毒、虚、瘀である。中国では隔離と、中西医結合(中医学と西洋医学を合わせて)での治療が行われました。

 

漢方薬(中成薬)として三薬三方(血必浄や既存の処方を基にして新たに考え出された清肺排毒湯など)が用いられ、そのことにより陽性率の低下し、軽症が重症化する割合が抑えられ、重症患者の治癒率を高めるという結果が得られたということでした。
中国で使用された三薬三方は日本になくその製剤は手に入らないです。
ただし、日本で市販されている漢方薬でその症状や証について対応できそうなものがあるようです。

 

日本でもできることをして早く終息することを願っております。

 

新型肺炎でも瘀血証(血液循環が緩慢になったり、停滞したり、あるいは血管から漏れ出て再吸収されないで体内に停滞した状態)がみられ、血液の浄化(酸素を取り込んで、二酸化炭素を排泄)のため、毛細血管が非常にたくさんある肺胞(肺の奥)に影響がでてきます。
その場合、瘀血の治療(活血化瘀)が必要になり、中国では新型肺炎に血必浄が使われています。

 


活血化瘀のものとして、血管力アップするもの、養血活血もの、消癥(癥瘕(ちょうか:腹内につかえた塊、瘀血の状態が悪化)に対する)のものを紹介して下さいました。
瘀血ということから血の巡りの大切さを考えさせられました。
瘀血に対応できるものがあるということについては心強く思いました。
 

 わやくや千坂漢方薬局 千坂武司

 

 

 

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2020年2月22日 (土)

2020年2月定例会講義から

2020年度の講義が今日からスタート!
初回は、イスクラ産業の陳志清副社長より講義頂きました。
 まずは、現在、世界的に感染拡大している「新型コロナウイルス肺炎」についての最新情報とその中医学的対応についてお話がありました。
 
 中国・武漢での死亡率などセンセーショナルなニュースも多いが、中国内の他の都市での死亡率はかなり低く、武漢では治療体制のパンク状態が影響しているようであるとのことで、医療水準の高い日本国内においては、現段階では同様のことは起こりにくいのではないかとのお話でした。
 ただし、過剰な恐怖心を持つ必要はないが、現時点ではインフルエンザにおける抗ウイルス薬のように有効性が立証された治療手段がないため、かからないように、広げないような手段を出来るだけ講じるべきであるとされました。

 

 例年インフルエンザや風邪なども流行期を迎えるこの季節。
あらゆる感染症に対しても、うがい、手洗いを基本として、また飛沫感染リスクを低減する意味でのマスク着用をとのお話を頂いた上で、中医学的にみたこの時期の養生をご紹介頂きました。
 〇自身の身体作り:扶正(健脾補気、滋陰潤肺)。
    中医学の「気」には、周りから身体を守るバリア機能も含みます。「気」を作り出す脾(胃腸)を整え、「気」の不足を防ぎましょう。
    また、外邪の主要な入り口となるのは肺(呼吸器系)です。中医学では、肺は乾燥を嫌うと言われ、外気も乾燥している今の季節はなおさら注意が必要です。
   身体に必要な潤いを補い、肺を乾燥から守りましょう。
    よく用いられる生薬としては、黄耆(オウギ)、白朮(ビャクジュツ)、防風(ボウフウ)、麦門冬(バクモンドウ)、五味子(ゴミシ)、人参(ニンジン)など。
 〇外邪を取り除く:祛邪
    胃腸の働きを損なってはならないので、苦寒の性質を持つ生薬には注意する必要があり、その性質があまり強くないものを使用すべきとされました。
 よく用いられる生薬としては、金銀花(キンギンカ)、連翹(レンギョウ)、板藍根(バンランコン)など。

 

 もちろん、身体を回復、体調を整える十分な睡眠時間と、ストレスの少ない生活をと講義を締めくくられました。
                   

 

                                         京都 保生堂薬局 田中秀明  

 

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2019年10月31日 (木)

10月度定例会報告 「小児の不定愁訴」について

10月定例会第一部は、米倉しく子先生より弁証論治講義を頂きました。
今回のテーマは「小児の不定愁訴」です。
 
まず小児の特徴・捉え方として、
「小児は小さな大人ではない。ただ体重が軽く、身長が低いだけではない。日々成長中であるという大きな違いがある」と述べられました。
 生理的には、臓腑そのものも、また働きの面からも発育が未発達であり、特に肺・脾(胃腸)・腎ではそれが顕著とのことでした。よって外的要因が侵入しやすく、胃腸の弱さによる水はけの悪化なども生じやすいため、「急に発病しやすく、その後の状況変化も早い」とのこと。
夕方まで走り回っていた子が、その後突然高熱を出したというご経験をされた方も多いのではないでしょうか?
 また、小児の心理面の特徴として、中医学的な三つの亢進・過剰が、多動・多喜・多怒につながりやすく、また四つの機能低下・不足により、思・憂・恐が少なくなっています。
 
 最後に、小児の体調をはかる際のポイントとして、目つき、舌の状態と皮膚の観察などを挙げて頂きました。
 ある程度のご年齢になるまでは、親御さんからのお話が重要になるものの、中医学で「望診」と呼ばれる視覚を用いた観察の重要性を改めて感じ、日々の対応で心がけねばと思いを新たにしました。

 ご自身のこと、またご家族皆様のご健康についても、どうぞ京滋奈中医薬研究会の会員店にご相談ください。


                                         京都 保生堂薬局 田中秀明  

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2019年10月30日 (水)

10月度定例会報告より

イスクラ漢方直営店の総括責任者・六本木店管理薬剤師の
今井健二先生から店頭ノウハウについてご講義いただきました。

イスクラ漢方直営店とは初代店長は我らの恩師である猪越恭也先生が務められたお店ですので、漢方相談を中心に経営されておられます。

今回の今井先生のお話は経営の数字はもとより、お客様に対してのアピールの仕方を多く教えていただきました。

いまでは多くの若い人が使っているツイッターやSNSでお店の情報を発信して
おられること多く、それにはお店の店長や従業員の顔をアップしていくことが大切であるし、顔が見えることでお客様の安心につながると教えていただきました。
またお店のポップやブラックボード(店頭看板)の書き方も目にとまりやすく見やすく書かれていて大変参考になりました。

そのほか、相談されたお客様には必ずサンキュウレターをお出しするとか、ダイレクトメールやニュースレターも必ず定期的に出されているお話などおうかがいして、全然できていない私にとって刺激的なお話でした。

すべてはお客様のためにまだまだやらなければならないことが多くあることを痛感し
てこれからも頑張って勉強していこうと思います。


 奈良 ドラッグストアーヘルシー 大嶋 清


 

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2019年10月 3日 (木)

京滋奈中医薬研究会 9月定例会報告「めまい」

今月の定例会の前半では、漢方の健伸堂薬局 京都四条店 米倉しく子先生に「めまい」について講義していただきました。

 

めまいとは目が回るようなくらくらした感覚の総称です。ふわふわ、ゆらゆらする感覚も含まれます。

 

中医学ではめまいを起こす代表的な証として、次のようなものを考えます。
<肝陽上亢証>は肝陽が頭部に上昇することでめまいが起こるケースです。めまいの他にいらいらして怒りっぽい、こめかみのあたりの頭痛などといった症状を伴うことがあります。この場合は上昇した肝陽を下げる漢方や、瀉する(体から出す)ものを用います。


<腎精不足証>は加齢や病気の長患いなどで腎精が不足することによってめまいが起こるケースです。めまいの他に足腰のだるさ、耳鳴りなどを伴うことがあります。この場合は腎精を補うものを用います。


<気血両虚証>は人体に必要な気血が不足することによってめまいが起こるケースです。めまいの他に倦怠感、唇や爪に艶がないなどといった症状を伴うことがあります。この場合は気血を補うものを用います。


<痰濁中阻証>は胃腸の弱い体質や濃厚な食べ物の過食などで体内に溜まった痰濁によってめまいが起こるケースです。めまいの他に痰が多い、体や頭がだるいなどといった症状を伴うことがあります。この場合は体から痰濁を除くものを用います。


<瘀血内阻証>は血の流れの悪さや血の鬱滞によってめまいが起こるケースです。この場合は血流をよくする漢方薬をを用います。
さらに、これらの証が複合的に絡み合っているケースもあります。

 

めまいにお悩みの方、めまいを起こしやすい体質を改善したい方は、お近くの日本中医薬研究会の会員店にご相談ください。

 

参考:日本めまい平衡医学会ウェブサイト

 

 

 

京都府 健伸堂薬局 村上陽平   

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