アトピー、ニキビ、湿疹、蕁麻疹

2013年6月 4日 (火)

原因不明の湿疹

ほぼ全身に湿疹と紅斑のある中年女性が見えました。
もう3ヶ月続いているとのことでした。Img_942114_34139519_0

降圧剤をのむと、数時間してカユミが出て終日続くため、皮膚科でもらった内服薬と塗り薬を併用したが改善しない。皮膚科で出された抗アレルギー剤との相互作用、3種類それぞれの血圧の薬と湿疹との関係を調べてもらったが原因不明とのことでした。

皮ふの炎症を抑える積極的な治療はせず、女性には「少し内臓を休めましょう」と申し上げました。

具体的には、松葉とクマザサのエキスと、サンザシ、麦芽、神曲(中国の発酵食品)の入ったお茶を飲んでもらい、飲食を加減してもらいました。
松葉には肝臓を休め、カユミを和らげる働きがあり、クマザサには健胃作用があります。

2週間後にお見えになって、体全体が軽い。舌のコケがはっきりと薄くなったとおっしゃいました。湿疹、紅斑は残るものの、前腕の湿疹は改善し、足の紅斑は色が薄くなり、炎症が和らいでいる様子が伺われました。Img_942114_34139519_1

「皮膚は内臓の鏡」といいます。特に季節の変わり目は、いろいろな疲れが内臓にたまりやすいものです。治療薬の重複で良い結果が得られないときは、内臓を休めてあげることも必要と思います。

          

滋賀県守山市  ワカバ堂薬局 

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2013年5月29日 (水)

主婦湿疹

今週から梅雨入り、毎日傘を必携の季節です。
梅雨になると湿気が増すために、頭痛、頭重、関節痛、下痢、むくみなど、身体に様々な変調をきたします。

昨年の話ですが、28歳のKさんは手のひらに水泡ができ、それが壊れてジクジクし、その後乾いて皮膚が落ちる状態になりました。良くなったり悪くなったりを繰り返すので相談に来られました。

このような症状はよくあるご相談で、水を使う主婦に多く<主婦湿疹>と呼ばれますが、その他に美容師さんや調理師さんなどにも見られます。Hand

Kさんには身体の水分代謝をよくする漢方薬や、乾燥した皮膚に潤いをつくる漢方薬をお使いいただきました。2週間後、新たな水泡は出来なくなり、4週間後には皮膚も綺麗になってきました。その後水泡は出ないので、皮膚の乾燥を改善する薬だけ続けていただきました。

生活の中で水を避けることは出来ないので、できるだけ濡れたままにせずコマ目に乾かすよう注意していくことが必要です。
特に外気が湿気るこの時期、発症しやすいのでご注意ください。

   京都市  漢方の市兵衛薬局  

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2010年5月12日 (水)

アトピー性皮膚炎

私自身もアトピー経験者で、同じような方が相談に来られると、かなり力が入ります。

 

昨年の秋ごろに来店された20代の女性です。産後半年から発症されました。
ここ最近は一番症状がひどく、患部はジュクジュクし赤味があって、はれ上がっていて、痒みも強く、毎日がつらそうでした。

 

アトピー治療には、漢方の内服・漢方の外用・日々の食事の3本柱を中心に行っていきます。

 

そこでまずおススメした内服漢方薬は、清熱利湿の方剤である「瀉火利湿顆粒」や「涼血清営顆粒」、そして健康食品の「五涼華」を一日 三回しっかりと服用してもらいました。

 

外用は、漢方生薬配合のローションやクリームを全身に塗布してもらいました。ステロイドは、かゆみが強い所にだけ点で塗布してもらうようにしました。ステロイドは継続的に塗布すると、皮膚が弱くなったり、リバウンドを起こしてしまったりと予後がよくないので、必要最低限に使うようにお伝えました。

 

食事は、和食中心で、高タンパク食(卵やお肉など)は控えるように。野菜(葉野菜)は、しっかりとるようにとお伝えし、牛乳などの乳製品は特に摂らないようにしてもらいました。牛乳に含まれる、カゼインたんぱく質は、吸収が悪くアレルゲンになりやすいからです。

 

最初の1か月は、症状の波が荒かったですが、2か月目以降は徐々に徐々によくなっていきました。半年以上たった今では、全快とまではいかないですが、来店当初に比べると見違えるほどになりました。漢方薬・便が毎日出たこと・食生活が気をつけた事などが症状改善につながったのだと思います。

 

すごい!漢方パワー!!

 

              京都 漢方ごじょう薬局 荒木 豊     

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2010年3月 3日 (水)

発疹と痒み

痒みが生じる原因はアトピーや乾燥肌など様々ですが、漢方ではその症状と体質によってお薬を考えます。

60歳の女性Wさんは昨年11月頃から全身に赤い発疹が出て、痒みを伴い寝られないほど酷くなりました。引っ掻いて出血したり、部分的に黄汁が出たり、頭皮はフケのように粉がふいたりしたので、相談に来られました。

病院ではステロイド系の軟膏をもらわれていましたが、根本治療をしたいとのことでした。
詳しくお聞きすると、様々な健康食品を数種類以上服用しておられて、何が原因になっているか分からないので、一旦全部休止していただき、漢方薬は<消風散>や<温清飲>をお使いいただきました。

乾燥する部位や赤みのある部位には、外用に<瑞花露クリーム>を使っていただきました。

2週間後に来られ、痒みが少しましになり、1ヵ月後には新しい発疹が出てもすぐに引いてしまう状態まで改善しました。

健康食品と皮膚トラブルとの因果関係があるか否かはわかりませんが、あまり多くの健康食品を摂取するのはお勧めできません。
それぞれの体質に合わせて必要最低限にされたほうがよいとお話しておきました。

          京都市下京区   漢方の市兵衛薬局

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2010年1月23日 (土)

蕁麻疹(蕁麻疹)

ある18歳の青年の話しをしましょう。

彼は前期日程の大学入試の10日ほど前から、蕁麻疹がでて、集中できないと相談に来ました。1_3

夜、冷たい屋外から自転車で家に帰り、暖かい部屋でホッコリしたとたん、体が痒くなり、掻くとミミズ腫れのような湿疹が全身に広がるのです。風呂上りにも悪化しやすく、夜中にカユミで目が冷めることもありました。

場所は決まっておらず、突然に広がり、知らない間にひくという状態が毎日続いているというのです。

◆この青年の場合は?

試験前ということもあって、眠くならない漢方薬を希望されたので、症状と体質について詳しく伺いました。アトピー体質で皮膚は乾燥気味。花粉症あり。何でも食べるが胃腸は丈夫な方ではない。食後眠くなりやすい。最近食事が不規則になりがち。時に立ちくらみすることがある。目がよく疲れる。

◆薬草による対策

胃腸が丈夫でなく、皮膚が乾燥気味。立ちくらみ。目が疲れやすい。これは血液の供給不足(血虚)になりやすい方に良く見られる症状です。

受験直前のストレスと寒さがそれに拍車をかけたのでしょう。皮膚表面への血液供給が不足してバリア機能が低下し、過敏になっていると考えられました。

対策として、セリ科トウキ、カシュウなどで皮膚表面の栄養改善を図り(養血潤膚)、その上で痒みを収めるセリ科ボウフウ、シソ科ケイガイを配合した漢方薬と、ゴボウの種やクララの入った漢方薬の2種類を1週間分お出ししました。

◆経過と結果 1日2回服薬

1日目:夜から服薬。直後、夜中も痒かったが翌朝は、これまでとは違うと感じた。
2日目:朝、服薬して学校へ。日中も明らかに効果を感じた。夜、風呂上りに胸に1箇所、タバコ大の紅斑が出たが、カユミはほとんど気にならなかった。
3日目:ほとんど気にならなくなり、服薬の必要を感じなかったが、試験に備え、再発予防のため1週間飲み続けて終了。

1ヶ月たつが再発を見ていない。

          守山市  ワカバ堂薬局  竹山 鐘大

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2009年11月18日 (水)

「しみ」とのながーい戦い

 

 

「しみ」は知らず知らずに出来てしまいます。

 

 

 

気がついた時には少々、いえしっかりと育ってしまっています。紫外線に当たらないように心掛けてきたつもりなのに・・・・・顔や手の甲に出来ると何とかしたいと思います。

 

 

 

84歳のおばあちゃん、足腰が弱ってこられていますが杖や歩行器を使って歩いておられます。腰痛の相談もありますが、顔に出来た「しみ」が気になるご様子です。お医者様から多くのお薬が出ていて漢方薬も少し飲んでおられます。

 

 

 

小柄な方なので多くのお薬を服用できません。

 

 

 

漢方で「しみ」の対策は肝腎を補い、血行を良くすることです。胃腸の弱い方は胃腸を補うこともあります。

 

 

 

この方には少量の漢方を服用していただいて、外用に力をいれました。

 

ローションとクリームです。<セ・サージ>という保湿クリームには「沙棘(サージ)」が配合されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2008年8月24日撮影

 

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2009年4月21日撮影

 

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毎日しっかりとローションとクリームを付けていただきました。

 

 

 

ガンコなしみと思っていたので時間がかかると覚悟を決めていましたが、以外にも早く薄くなりました。厚くコンシーラーを付けておられたのですが、最近は薄化粧でOKですね。

 

美容院で「お肌がツルツルと言われました」とニコニコされておられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     大津 よねくら薬局 米倉しく子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2009年8月 3日 (月)

アトピー性皮膚炎との付き合い方

乳児から大人まで「アトピー性皮膚炎」に悩ませられている方々がおられます。

一時的に良くなるけどまた悪化して・・・・という波があるのが特徴で、多くの方がステロイド剤や免疫抑制剤などを使っておられます。

数多くのアトピーで悩んでおられる方々の相談を受けてきました中で、感じたことがあります。

皆さんとってもまじめです。一生懸命にがんばっておられます。でも、すこし肩の力を抜いて、スローダウンする時間を作って欲しいと思うことがあります。結果のみを求めず、今までの自分を見つめることも大切なことだと思います。

悪化する時が受験期だったりしますので、長年ステロイド軟膏を使ってきたが、大学入学した夏休みに思い切ってステロイドを止めて漢方でと相談に来られることもあります。

ある年の夏休み、大学1年の男性が相談に来られました。
「中学・高校とステロイド軟膏で抑えてきたけど、この夏休みを使ってステロイド軟膏を止めたい」とのことでした。いろいろとお話をしました。アトピー性皮膚炎とはどんなものなのか?どのように付き合っていくのか?生活習慣や食事の養生が大切なこと。急にステロイド軟膏を止めたらどうなるか?今の状態に何が必要か?漢方薬は苦くて量も多くて飲みにくいし、きっとこの夏休みだけで解決できるものではない。そんなお話をしてからのスタートです。

現在はスキンケアを主にしておられます。

大学は卒業されて、仕事でストレスがありながらも上手な付き合い方を身に付けられています。

           大津 よねくら薬局 米倉しく子

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2009年7月22日 (水)

大人のにきび

顔以外にも出る「大人のにきび」が増えています。

「にきび」が青春のシンボルなんて言ったのはずいぶん昔の話です。
男の子でも顔に出来た「にきび」は気になるものですね。あせって潰したりしないでください。今日ご紹介するのは青春のシンボルでなく「大人のにきび」です。

26歳の女性、医療関係のお仕事をされています。仕事柄食事の時間が不規則になっています。あごからホホにかけて、プツプツと赤みのあるにきびが出ていました。また、一部、胸や背中にも赤いプツプツがあり、皮膚科でにきびと診断されたとのことです。

中医学では、この方のお肌の状態や体調面など詳しくお話を伺い、血熱、熱毒があると判断いたしました。

清熱解毒、涼血清肌のお薬や、5種類の花から出来ているハーブティーなど服用されました。また、にきび肌でも洗顔には気をつけないとカサカサとしてしまうことがあります。低刺激性の植物せっけん素地を使って赤みやにきび肌にもよく、潤い成分も含まれた薬用ソープで洗顔していただきました。

これからの季節、暑くて湿気が高いとお肌ににきびが出来やすくなります。

チョコレートなどの刺激物や香辛料のきいた食事やビールなどのアルコール類はにきびを悪化させますのでくれぐれも取り過ぎないようにしましょうね!

  大津 よねくら薬局 米倉しく子

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