不整脈、狭心症、心臓病

2013年5月 8日 (水)

漢方でみる心筋梗塞

先日、朝日新聞デジタルに、「薄毛の進行で心臓病の傾向 てっぺん近くは高リスク」という記事が載っており、「頭のはげた男性はふさふさ髪の男性に比べ、心筋梗塞や狭心症など重い心臓病のリスクが高い傾向にあることがわかった。将来、自覚症状がない段階でも生活習慣を変え、予防につながるきっかけにできるかもしれない。」と書かれていました。

心筋梗塞は、日本人の死亡率の上位にあり、このように話題となり、注目されている疾病です。
漢方(中医学)では、この疾病を、どうとらえているか紹介します。Photo

漢方の病証で心痛、胸痺が、狭心症や心筋梗塞に当たります。その病位は心にありますが、その発病は心、腎、肝、脾の盛衰と関係があり、心気、心陽、心血、心陰の不足、あるいは腎、肝、脾の失調の基礎の上に、痰濁、血瘀、気滞、寒凝などの病変を兼有します。以下に示す病因病機のいくつかが重なって、或いは相互に影響しあって発病するとしています。

①気候の変化
②七情の内傷
  憂思悩怒(感情の変動)、精神的ストレスなどの影響。
③飲食の不節制
  美食を嗜食したり、濃厚な食べ物(肥甘厚味)や生ものや冷たい物を過食したり、或いは飲酒癖など。
④気血の不足
  疲労、過労、慢性病のあと、思慮過度等によって起こりうる。脾胃の損傷、虚弱による。脾とは、消化器系全般の消化機能・栄養代謝・体液調節の一部・免疫維持機能・止血機能の一部・門脈系やリンパ系の循環等を含めた機能系で、気血生化の源です。
⑤腎の虧虚
 高齢による身体の衰え等。

腎とは、内分泌系・泌尿生殖器系・中枢神経系の一部・免疫監視能などを含めた機能系です。

腎の機能として
①精を蔵し、生長・発育・生殖を主る。腎が貯蔵する精とは、生長・発育・生殖及び生命活動を維持する物質的な基礎です。
②水を主る。
③骨を主り、髄を生じ、脳に通じる。
④上は耳に開竅し、下は二陰に開竅し、その華は髪にある。二陰とは、大・小便の排泄です。
⑤納気を主る。呼吸機能の吸気が腎と関連をもつことを示しています。

漢方では、現時点での症状だけをみるのではなく、その人が、どのような経過をとってきたのか、どのような環境で生活しているのか、いたのか(生活している場所の状況(気候、風土等)、食事、職業、家族、置かれている状況等)、季節等も考慮にいれて、さらに、治療によって生じる変化などや、この状態が進めば、どうなるのかも考えます。症状だけをみるのではなく、個人個人について点でなく、線でもみています。
その人の状態がどうかは、個々に相談して弁証し、判断し、もし、機能失調や不足などがあればそれを元の状態(健康状態)に戻せば予防につながります。

また、病因病機等から、予防上注意することとして以下に示します。
①生活起居に注意し、寒暖によく適応すること。
②精神面での療養に注意し、情緒の変動を避けること
③飲食の調節に留意し、肥甘厚味を避けると同時に、偏食に注意すること
④労働と休息に注意し、適当な運動による鍛錬を続けること

         京都市  わやくや千坂漢方薬局

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2010年6月14日 (月)

暑い夏には「麦味参顆粒」がおすすめ・・・!

梅雨が終わると暑い夏がやって来ます。

 

暑い季節に元気をつけ暑さを乗り切るためにとてもいい漢方薬があります。
その名を「麦味参顆粒」と言います。

 

真夏にジワーと汗かいて汗と一緒に気力も流れ出るとからだがしんど~くなります。ひどくなると心臓が弱り熱中症になったりします。
漢方では心肺機能を高め、陰虚の改善をはかるという作用があるためです。
特に夏の旅行、スポーツ、登山やゴルフをするときなどには必携です。

 

2年前の8月、83歳になる男性のお客様が中国・西安に旅行するので何か体力の消耗を補いバテないモノが欲しいと当方に来店。この麦味参顆粒をお薦めしたところ帰国後に「おかげで楽しく旅行出来ました」と御丁寧にお礼に見えたことがあります。 

 

実はこの「麦味参」という漢方、方剤名を生脈散といい、今から34年前、毛沢東が危篤に陥った時20人の医師団が相談してこの漢方の注射剤を投与して危機を脱したという歴史があります。

 

         京都市  三ツ星薬局   勝山昭人      

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