11月定例会
『気血津液弁証』
今回11月21日に開催された中医薬研究会の京滋奈の定例会に参加させていただきました。
今回は、『気血津液弁証』で米倉先生の講演です。
人体を構成するのは正気であり生命活動の維持に不可欠な物質として体内にあります。
正気とは何かといいますと、
『気』『血』『津液』『精』『神』からなります。
今回は『気』『血』『津液』とその作用をご紹介させていただきます。
①『気』
気とは体の中をめぐっているエネルギーになります。
よく知られているのが元気が代表的ですがその他に、
宗気(そうき)・・・
呼吸中での清気と水穀精微から生じ、肺と共に呼吸、心に血の循環を良くする気
営気(えいき)・・・
水穀精微から生じ血の生成に直接関わり、血と共に脈管内を流れていて全身を栄養する気
衛気(えき)・・・
主に水穀精微から生じ、体表を保護し外邪の侵襲を防ぎ、汗孔の開合を調節します。体温の維持や皮膚・筋肉・臓腑・組織などに存在します。
臓腑の気、経絡の気・・・
経絡中をめぐっている気で血・津液・営気を流します。
②『血』
血とは水穀精微により生じ営気の働きで津液と微量な精が結合して脈管に入り赤色に変化することです。血液をさします。
この血は人体の臓腑に酸素と栄養を運びます。
五臓の肝の蔵血機能により量の調節、疏泄作用によりスムーズな運行、
五臓の脾の統血作用により血管から漏れ出さないようになります。
③『津液』
津:サラサラして薄く、流動性が大きく、体表の皮膚・肌肉・孔窮に分布、血脈に入り滋潤する。
液:粘調で濃く、流動性が少なく、脳・髄・関節・臓腑などの組織に注ぎ込み濡養する。
この二つが体の中から分泌してめぐる事により各臓腑などが働きやすくなります。
五臓の脾の昇清作用と腎の温煦作用により肺にあげられ肺の粛降機能と通調水道作用により三焦を通して全身に分布されていきます。
●気の失調と臓腑
①気虚証:息切れ、倦怠感、自汗、めまい、活動すると激しくなる、舌質淡白、脈虚無力などの症状が出やすくなります。
・心気虚・肺気虚・脾気虚など臓腑弱りが関係する症状もあります。
②気陥証:気虚に加え腹部に下垂張満感、内臓下垂、脱肛などの症状が出やすくなります。
③気滞証:臓腑や身体各部に生じ、その部位の張悶感、疼痛などの症状が出やすくなります。
④気逆証:喘息、しゃっくり、げっぷ、咳、頭痛、めまいなどの症状か出やすくなります。
●血の失調と臓腑
①血虚証:顔色は白く艶がない、めまい、口唇の色が淡白、舌質淡、脈細などの症状が出ます。
・心血虚・肝血虚など臓腑の弱りが関係する症状もあります。
②血瘀証:疼痛(固定痛、刺痛)、腫塊、青紫色、舌の瘀斑などの症状が出やすくなります。
③血熱証:心煩、口が渇くが水は飲みたがらない、鼻出血や皮膚に斑疹が出るなどの各種出欠症状、月経周期が早まる、舌質紅絳などの症状が出やすくなる。
●気と血の相互失調
①気血両虚:息切れ、自汗、倦怠感、顔色は蒼白又は萎黄、動機、不眠、舌質淡嫩、脈細弱などの症状が出やすくなります。
②気虚失調:歯肉又は鼻出血および各種の出血、息切れ、倦怠感、顔色は蒼白で光沢がないなどの症状が出やすくなります。
③気滞血瘀:脇胸部の張満疼痛、焦燥感、刺痛を伴う痞塊が出現し拒按、月経痛、舌質紫暗、瘀斑などの症状が出やすくなります。
④気随血脱;顔色は晄白、四肢の冷え、大きな汗が滴り落ちるなどの症状が出やすくなります。
●津液の失調
①津液不足:のどが乾燥、唇がカサカサ、口が渇いて唾液が少ない、皮膚の乾燥便秘などの症状が出やすくなります。
②陰虚証:手足のほてり、微熱、午後の潮熱、盗汗、舌質紅、少苔あるいは無苔などの症状が出やすくなります。
・心陰虚・肺陰虚・胃陰虚・腎陰虚など臓腑のよわりが関係する症状もあります。
気・血・津液のバランスが乱れ始めると身体も症状として出てきますので漢方薬で元気な時にこそ予防が大事ですね。
今回の定例会に出席させていただいてとても勉強になりました。
教えていただいた講師の先生には感謝です。
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