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2020年6月

2020年6月30日 (火)

京滋奈6月定例会報告(第一部)

6月もコロナ感染拡大予防のため、Web会議システムで定例会開催されました。
第一部は、米倉しく子先生による「四診~望診~」の講義。

四診とは、中医学独自の診察手法のことで、望診、聞診、問診、切診の4つの診法から成り立っています。この四診を必ず有機的に組み合わせて臨床運用することが大切です。
この四診から得られた情報を総合すれば、病気がどこにあるのか、その性質がどうか、どこから対応していくのかを正確に判断できます。
 さて、昨年一年をかけて講義頂いた問診に続き、今年は望診から講義開始です。

 望診は、字のごとく、視覚器官を駆使して観察を行い、病状を捉えることを指します。
その観察範囲は非常に広く、病人の精神・意識から、姿かたち、舌の状況、さらには分泌物、排せつ物の色質など多岐にわたります。
 レントゲンみたいに直接見てはいませんが、外から得た多くの情報から、身体の中を見ようとするわけです。
 長きにわたる中医学の臨床実践から得られた観察の要点は、非常に納得のいくものばかりです。

 また、Web上でのグループディスカッションという初めての試みだった症例検討でも、出来る限り多くの情報を得て、総合的に判断することの大切さを教えて頂きました。

 京滋奈中医薬研究会会員店でのご相談は、ちょっぴり長めにお時間を頂くことがあります。これは、出来るだけたくさん拝見して、出来るだけたくさんお伺いして、より正確な判断、よいご提案が出来るようにという想いの現れです。
 ぜひお近くの会員店に足を運んで頂き、その熱い想いに触れてみてください。

 

 

                                         京都 保生堂薬局 田中秀明  

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2020年6月 1日 (月)

5月度定例会より

劉桂平先生に『中医学食養生』についての講義をしていただきました。

現代人の食生活の問題点として、欧米化、過食や偏食、野菜不足、時間が不規則などがあげられています。
摂取したものが体内で上手に調和できないと、それが病邪となり、内臓の働きや全身のバランスが崩され様々な病気になります。

つまり、本来農耕民族である日本人が、今のような合わない食生活に高温多湿という環境が重なることで、病気の原因となる湿熱・痰湿・瘀血を生じやすくなってしまうのです。

現代栄養学では、成分を摂取することが重視され、ときに胃腸の負担が重くなるケースが見受けられます。
脾胃は気血津液を生化する源でもあるので、脾胃が強くなれば心身ともに健康になると言われているように、栄養を摂ることに加え、尿や便という排泄のことなど、全体的な調和を考えながら、脾胃腸を守ることができる食養生を実行していけば、健康につながるといえます。

心身ともに健康であるには、
和食(味噌汁や煮物)などを中心に、栄養豊富で消化しやすいものを腹八分目、食事の時間を守る。
胃腸の負担を軽くし、腸内環境を常にきれいにしておくことが重要なポイントです。

その他、適度に汗を流す、やさしい日光を適度に浴びる、生活リズムを整えるなど
食養生と健脾剤を活用して胃腸の働きが安定することにより、さらなる健康増進が期待されます。

生活リズムや体質、環境などその方に合った漢方と食養生をご提案させていただきます。
お気軽にご相談ください。

 奈良 一陽館薬局 学園前店 木村敦子

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