週刊朝日 『本格漢方 2013』発売に寄せて
中医学という言葉を耳にされたことはありますか?
もしかしたら、同じ意味でよく使われる中国漢方としてご存知かもしれませんね。
中医学は、数千年前から続く中国伝統の医学で、現代においてもなお発展し続けている古くて新しい医学と言えます。
中医学は5世紀頃に日本にも伝わり、日本漢方の基礎にもなっていますが、その後、それぞれ独自に発展したことで、現在では、中医学と日本漢方は異なった医学体系となっています。
では今回は、その中医学の「病気に対する考え方」をご紹介したいと思います。
それは「病気が発生する根本原因は人体側にあり、細菌、ウイルス、気候変化などの自然環境(外因)は単に発病の条件に他ならない」というものです。
日々、私たち人間は身体をうまく調節して環境変化に適応していますが、その変化が適応能力を大きく超える場合、あるいは身体の機能低下があって変化に適応できない場合には病気になってしまうということなんです。
例えば、風邪をひいた時。西洋医学では、感染した風邪ウイルスが病気の原因と考えます。しかし、中医学では、風邪ウイルスが感染しやすい体調だったことが根本にあると考えるわけです。風邪をひきやすい人、ひきにくい人がいるのも、こう考えればなるほど納得できますし、自身の体質を知ること、体調変化に気付き早めに対処することが肝腎と言えますね。
さてさて「理想」という言葉があります。この言葉(原語「ideal」)は明治時代に初めて日本に入ってきたものですが、同じ意味の言葉として古来より使われていた言葉があるのを御存じでしょうか?? 実は「本来」なのだそうです。求めるべきものは本来の姿にあるという考えは、まさに中医学の哲学そのもので興味深いものがあります。
ぜひ中医学を活用し、バランスのとれた本来のあなたを取り戻して、より健康的で“元気”な毎日を過ごして頂きたいと思います。
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京都 保生堂薬局 田中秀明
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