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2010年6月 7日 (月)

不正出血と漢方薬

婦人病の相談として比較的多い相談として不正出血があります。

不正出血は大きく分けると二つあります。

「月経がダラダラ続く不正出血」 
        と
「月経時以外に出血する不正出血」

今回ご紹介するのは、「月経時以外に出血する不正出血」になります。
月経時以外の出血は排卵期や月経前が多く、出血量はそれほど多くはありません。(例外もあります)

原因としては・・・

(1)生命エネルギーである「腎」の弱り
      足腰に力が入らない、手足が冷える又は逆にほてるなど
(2)元気不足からくる胃腸の弱り
      食欲不振、食後倦怠感、疲れやすい、疲れると色々な症状悪化など
(3)過剰な熱が体に篭っている
      体が熱い、イライラしやすい、出血量が多いなど
(4)血の流れが悪くなっている
      肩こり、頭痛がある、経血が黒っぽく塊が混じるなど

原因として重要なのは(1)の生命エネルギーである腎の弱りになります。
子宮は新たな命を作る臓器で、命を作る用意の段階で血を多量に必要とします。
全身の血を子宮に集め子宮内膜を作るのですが、腎が弱ると血が子宮に集まっても上手に子宮内膜を作ることが出来ません。
腎の働き以上に子宮に血が集まると、血が溢れ出て不正出血となります。

『(2)の胃腸は不正出血と関係無さそうなのに何で?』と思われるかもしれませんが、胃腸は食べ物を食べて元気を作る場所です。
また「血」を含め体の臓器を一定の場所に留める働きもあります。

胃腸が弱り、元気が作れなくなると、色々なモノを一定の場所に留める力が弱ります。
すると胃下垂になったり、痔になったり、不正出血が起こったりします。
知らないうちにアザ(皮下出血)が出来ている場合も(2)の原因の可能性があります。

(3)体に熱が篭ると全身の血が出血傾向になります。
余分な熱はエネルギー過剰と考えられ、オーバーヒートのような昂進状態になり全身の血が行き場を失ってしまいます。
そうすると体の出血しやすい場所から血が溢れ出てしまいます。
のぼせたりすると鼻血が出てくるのも同じような原因です。

(4)の血流が悪くなっている状態は、上記の(1)(2)の過程において発生します。
新しい血を作り、全身に行き渡らせるのですが、生命エネルギーである腎や元気製造機である胃腸が弱ると血を全身に行き渡らせることが出来ません。
そのため行き場を失った血は出血しやすい場所から不正出血として溢れ出てしまいます。

細かく分けるともう少し原因がありますが、概ね上記の4つが原因となります。
(これらの原因は単一で現れる場合は少なく、ほとんどが複雑に絡み合っています。)

これら4つの原因をしっかり見極めることが大事になります。
また出血している場合には出血を抑える方向に持って行き、出血が治まれば月経周期を整える必要があります。
「出血が止まったからもう終わり」というわけではなく、根本である「何故出血していたか」を考えれば今後の生活も健やかに過ごせると思われます。

単純に「不正出血」と言っても東洋医学では複数の原因があります。
東洋医学で改善する場合、原因は上記の4種類ですが、漢方薬の種類は多数あります。
個人個人の体質によって漢方薬も変わるので、ここでは挙げ切れません。

東洋医学で症状を改善する場合はご自身で判断せず、お近くの漢方専門のお店でご相談下さい。

    奈良県   漢方の大元気堂    大嶋章吾

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