蕁麻疹(蕁麻疹)
ある18歳の青年の話しをしましょう。
彼は前期日程の大学入試の10日ほど前から、蕁麻疹がでて、集中できないと相談に来ました。
夜、冷たい屋外から自転車で家に帰り、暖かい部屋でホッコリしたとたん、体が痒くなり、掻くとミミズ腫れのような湿疹が全身に広がるのです。風呂上りにも悪化しやすく、夜中にカユミで目が冷めることもありました。
場所は決まっておらず、突然に広がり、知らない間にひくという状態が毎日続いているというのです。
◆この青年の場合は?
試験前ということもあって、眠くならない漢方薬を希望されたので、症状と体質について詳しく伺いました。アトピー体質で皮膚は乾燥気味。花粉症あり。何でも食べるが胃腸は丈夫な方ではない。食後眠くなりやすい。最近食事が不規則になりがち。時に立ちくらみすることがある。目がよく疲れる。
◆薬草による対策
胃腸が丈夫でなく、皮膚が乾燥気味。立ちくらみ。目が疲れやすい。これは血液の供給不足(血虚)になりやすい方に良く見られる症状です。
受験直前のストレスと寒さがそれに拍車をかけたのでしょう。皮膚表面への血液供給が不足してバリア機能が低下し、過敏になっていると考えられました。
対策として、セリ科トウキ、カシュウなどで皮膚表面の栄養改善を図り(養血潤膚)、その上で痒みを収めるセリ科ボウフウ、シソ科ケイガイを配合した漢方薬と、ゴボウの種やクララの入った漢方薬の2種類を1週間分お出ししました。
◆経過と結果 1日2回服薬
1日目:夜から服薬。直後、夜中も痒かったが翌朝は、これまでとは違うと感じた。
2日目:朝、服薬して学校へ。日中も明らかに効果を感じた。夜、風呂上りに胸に1箇所、タバコ大の紅斑が出たが、カユミはほとんど気にならなかった。
3日目:ほとんど気にならなくなり、服薬の必要を感じなかったが、試験に備え、再発予防のため1週間飲み続けて終了。
1ヶ月たつが再発を見ていない。
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